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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*エンキョリレンアイ*


こんなにも
君は近くにいるけど
あたしはただいま
「エンキョリレンアイ」中・・・。


*エンキョリレンアイ*


お隣の君とは
昔からずっと一緒で
いっぱい一緒に笑って
いっぱい一緒に泣いて
いっぱい一緒に
いろんなことしてた。


あたしは君が好きで
君はあたしが好きで
将来の約束だって
ちゃんとゆびきりげんまん
したんだよ。


きっと君は
覚えてないけどね。


高校生になった今
昔みたいに
一緒じゃない。

違う世界にいるみたいな
そんな感じ。



出来の良い君と
出来の悪いあたし。

同じ高校だけど
進学コースの君と
普通コースのあたし。

先生からもみんなからも
信頼のある君と
問題児のあたし。



近くにいるけど
世界が違う。


近くにいるけど
キモチは遠い。



あたしは君に
エンキョリレンアイ中。



「好きなんです」


放課後の渡り廊下。
あたしの世界と君の世界の境界線。

君はあたしの世界の女の子に
告白されてて
偶然通りかかったあたしは
とっさに壁に隠れて
君をみる。


「あなたにとって私は
 バカで出来の悪い子かもしれないけど
 私、ほんとにあなたが好きです」


きっと彼女もずっと
彼にエンキョリレンアイしてきた。

えらいね、ちゃんとキモチ
伝えるんだもん。
ちゃんと自分から
歩み寄るんだもん。

遠くから見ているだけのあたしと
わけがちがう。


「ごめん」


そんな彼女に君は
やさしくそう告げる。


「俺、バカで出来の悪い子は好きだけど
 それは君じゃない」


君に一礼をして涙ぐみながら
走り去る彼女の背中を見送って
それを見送ってから
自分の世界に帰っていく君を見送って
私も家へ帰る。


君の言葉の意味を
なんとなく考えながら
ふと顔を上げると
目の前には
いつの間にか君の姿。


君は覚えてる?

中学時代
自転車に二人乗りして
一緒に帰ったこと。


君の背中にしがみついて
寄り道なんかもして
ずっとずっと
二人で笑ってた。


ほんのちょっと前のことなのに
もうずっと
昔のことみたい。


電車もわざと
違う車両。

君はこれっぽっちも
私の方を見てくれないまま
家に入っていく君の姿を
見送った。



今日もあたしは
エンキョリレンアイ。


手の届く距離の君なのに
ココロが届かない
エンキョリレンアイ。



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bbs

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